新生児期の赤ちゃんを昼間クーファン(クーハン)で寝かせるべき?
赤ちゃんが寝つけないときの原因にはどんなことがありますか?
一つは、「暑くて眠れない」というのがあると思います。寝ているときって、身体から熱を逃がし体温を下げながら眠りにつきます。でも赤ちゃんは手足や首がまだ短いので、大人と比べて放熱する面積が少なく、上手に体温を調節することができません。そのため、着せ込みすぎているとうつ熱を起し、暑くて眠れなくなります。
もし眠りが深くなる前に手足が熱くてぐずっているときは、薄着にさせたり、掛け布団を1枚減らす・薄いものに変えるなどして「体温を下げる」と、寝付きやすくなります。冬の室温は20℃程度、大人であればちょっと肌寒いと感じる程度で大丈夫です。
夜、泣いているときに「放置」しても大丈夫ですか?
まずは、赤ちゃんが泣いている原因を探ってみましょう。お腹がすいていたり、おむつが汚れていたり、暑すぎたり、ということがあれば対応しましょう。ちなみに「泣いたら授乳 (もしくはミルク) 」を繰り返していると、お腹が張りすぎて苦しくなってしまい眠れないこともありますので、注意が必要です。
それでも泣いているときは、15分くらいじっと我慢。見守ってみてください。無関心に放置するわけではなく、赤ちゃんの様子を見守ることが大切です。「15分が長い」と感じるのであれば、最初は1~2分、5分と徐々に時間を延ばしてみましょう。夜泣き対策には「親の我慢と忍耐」も必要です。
泣いていても時間が経てば落ちつきます。寝ぐずり (レム睡眠という浅い眠り) がみられると「寝つけていないんじゃないかな」と心配になる気持ちも分かりますが…、赤ちゃんを触りすぎてしまうことが刺激になるので、「我慢と忍耐」ママとパパも頑張りましょう。
夜泣きに関して、よくある「ママの悩み」って何ですか?
生まれたばかりの赤ちゃんにとっては昼夜の区別がないので、基本的には1日中泣いています。夜だから泣くわけではありません。では、昼に泣いても困らないことが、夜になると困ってしまうのはなぜなのか?ってことですよね。
ママの悩みとしては、夜の授乳に対して「孤独を感じている」ことではないでしょうか。隣でパパは寝ているのに、一人起きて授乳をすることが寂しい。精神的にも辛い。もしかしたらヘトヘトになっているかもしれません。
昔は、大家族で暮らしていたので子育てに関わる大人もたくさんいました。でも今は核家族化が進んで、夫婦二人で子育てをしている家庭が多いと思います。子育てでなくとも、夜って孤独を感じやすいですよね。睡眠不足がつづいて疲れが溜まるなかで、毎晩の授乳が一人となれば、孤独を感じやすくなるのは当然のこと。おそらくこれは、ママに限らず「子育てしている人」が抱える共通の悩みだと思います。
夜の睡眠がおろそかになると、お産後の疲労感が取れなくて、日中の判断力や忍耐力もなくなります。それがまたストレスや悩みとなって、孤独に陥るという悪循環に。夜の睡眠を長くとるというのは、赤ちゃんのためというよりも、家族みんなが健やかに暮らせるようにという意味合いが大きいと思っています。
日本人の平均睡眠時間が短いと聞きますが、本当ですか?
2021年に報告されたOECD (経済協力開発機構) による睡眠時間の調査によると、対象国33か国のうち、日本は最下位 (7時間22分) でした。世界の平均が8時間28分でしたので、1時間以上短いことが現状です。育児期の女性は、さらに短くなります。赤ちゃんだけでなく、ママにも十分な睡眠をとってもらいたいですね。
なぜ、睡眠時間が短いのでしょうか?
睡眠時間が短い要因として、一つには、日本は昔から家族揃って川の字で寝ていることが挙げられると思います。同じ部屋やベッドで寝ているため、ちょっとした動きを感じたり、隣で親がスマホを見ていると、子どもがブルーライトに反応して寝付けなかったり。
親の生活習慣が子どもにも影響を与えてしまいます。早いうちから生活習慣を整えるためにも、子どもだけでなく大人も含めて生活習慣を見直してみましょう。
男性の育休制度は、活用されていますか?
実は、日本の育休制度は世界トップレベルです。出産後の女性が育児休暇を取ることは、日本では一般的ですが、他国を見ると産後3ヶ月くらいで仕事に復帰するのが通例。そのため、母乳ではなくミルクで子育てをする家庭が多いようです。最近では、日本の母乳育児を参考にした研究もあります。
男性の育休も制度としては整っているのですが、実際に取得している人が少ないのが現状です。世界に誇れる制度があるのに活用できていない。その理由として、育休を取りやすい環境や休暇中の業務フォローが整っていないことが大きいと思います。
一方の海外では育休制度が十分に整っていない分、ベビーシッターや家事代行サービスを活用する習慣があります。「家族や女性だけが育児をする」という考え方ではないのです。
今は、いろんなサービスが普及している時代です。文化や習慣の違いはありますが、何でも自分たちだけでやろうとせずに、育児の人手が減った分、制度やサービスを上手に頼りながら育児と日々の生活を両立させていきたいですね。